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ホーム | 京都・西陣の織工房 | 羅織(らおり)職人 和泉 明のサイト

羅織

和泉明の羅織

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技法へのこだわり

羅の織り方には二通りの方法があります。

  • その① 普通の織物のように筬(おさ)で打つ
  • その② 筬(おさ)とフルエ綜絖はかまちの後ろに置き、ヘラで打っていく

専門的な観点から、②のヘラ打ちの手法を採用しています。
その理由は、籠目捩りと網捩りの差がしっかり出て、メリハリがよく、より立体的な仕上がりになるためです。(※「籠目捩り」「網捩り」についての詳細はこちら→羅織の構造」)
加えて、和泉明自ら考案・作成した機には②の方法が合っており、より効率的に織れると判断しました。
①の方法だと、フルエ綜絖ごと打ち込むことになり、糸が傷みやすく、打った後も、フルエ綜絖がよじれやすくなったりとやりにくさがでてくるため採用していません。
①と②の、仕上がりの違いは職人の目でしか見抜けない、ごく繊細な部分です。それでも、より上質な仕上がりを追求し、手抜きをすることなく丁寧に仕事をしています。
※フルエ綜絖(ふるえそうこう)という羅織を織るための特殊な装置は操作が非常に難しく、扱える職人は国内でもごく限られた数名しかいません。

品質へのこだわり

同じ織物の注文を受けても、一つとして仕上がりは同じではありません。より緻密で品質の良い織物を、効率的に製織するために日々研究を重ねています。
複雑な網目状の構造をしている羅織は、機械では決して織ることができません。職人の織りに関する深い知識と経験、感性が求められます。現代は、コンピューター制御での衣類の大量生産が主流となり、低コストで安価な製品が巷にあふれていますが、あくまで手織に強いこだわりをもっています。

フルエ 和泉明